引越しのバイト

「勉強しまっせ引越しの○○!ホンマーかいなそうかいな!」って昔テレビで良くかかってたCMです。北海道在住なので、その会社自体北海道に進出してるのかも分からないし、何より関西弁が分からなかったので、「勉強」が「値引き」という意味である事も最近まで知りませんでした。当時はまだ小学生位だったので、「引越し屋さんなのに勉強してるなんてエライなー。算数?国語?」と、かなり的はずれな印象を持っていた記憶が有ります。

その昔引越し会社で少しだけアルバイトをしていた時期があります。とにかく大変でした。「どうやってこの巨大な机がこの部屋に。四次元ポケットとか使わないとこんなの入らないんじゃないのか?当然ながら、出せる気がしない…」こんな思いを毎日のように抱きながら、筋肉が断裂する程働かされましたね。

ただ重いもの、ただ大きいものを運ぶなら、それこそいくらでも出来るし楽なんですけど、四方に壁やモノがあって、狭い階段が続くような所で大きな重いものを運ぶとなると、とてつもない負荷とプレッシャーが2本の腕に掛かってきます。一瞬で乳酸が溜まってしまうので、毎日筋肉痛でした。

若い頃だから出来た仕事ですね。今なら到底無理です。もうあんなに走れないし、あの時のような爽やかな笑顔で力仕事は出来ないですね。だから今でも、引越し屋さんで頑張ってる人を見ると尊敬しますし、心の中で尊敬してます。雪が溶けて春になったら、また忙しくなりますね。

新天地を求め

引っ越したい。この豪雪地帯から脱出したい。この低賃金低人間性の地域から出ていきたい。私にもし家族や事情がなかったら、こんなに住んでる意味の無い場所は一刻も早く立ち去るべきだと考える。もう放射能とかどうでもいいから福島市民になって動物たちに囲まれてひっそりと余生を過ごそうか真剣に悩んでおります。

新天地を求めて、海外移住なんていいかもしれない。全てのシガラミを一旦リセットして、ただの一人の男として好きな場所でそこそこの生活を楽しみたいです。ただ、他の土地にいっても通用するスキルが微妙に備わってないんですよね。日本の主要都市だったらギリいけるかとは思うんですが、海外となるとさすがに難しいかもしれない。意思疎通位は出来ても、仕事で使う英語はからっきしだし、日本みたいに細かい優しさの行き届いた場所ですらこれほど憤慨する事が多いのに、海外に住むとなったらそれこそ理不尽な事がまだまだ多いでしょうから。

予定もないのに引越し資金だけコツコツ貯めて、心のバランスを取ろう。そしていつかもう我慢出来なくなったら、その軍資金を握り締めて南に南におりていこう。そして、暖かい場所で暖かい気持ちになってほっこりと生きていこう。

荷物はバッグ一つ分がいいですね。断捨離の意味も兼ねて、必要最小限の着替えとパソコンだけで、あとは全て売ってそれも軍資金にしよう。相当気分がスッキリしそう。車も楽器のコレクションも今のうちに手放そうかな。

ヤドカリと人間

オカヤドカリですら、自分が次に入りたい貝殻の寸法やカタチ等をしっかり手や目視で吟味してお引越しするというのに、私たち人間は駅からの距離や金額だけで決めてる場合が多いんじゃないでしょうか?もっともっと、五感をフル動員させて自分の感覚で決めないと。後で後悔しても遅いですよ。

大体は誰かが出て行った物件なんだから、それぞれ出て行った理由がある。まあ普通に家族構成の変化、職場の変化、収入の変化とかだったら全く問題はないですよね。

もしこれが「その物件特有の問題がある」とかだったら話は別。例えば、同じ建物の隣人が超神経質で、普通の生活音ですら苦情を入れてくるとか、決まって同じ時間になると何やら呪文みたいなのが聞こえてくるとか、ゴミ置き場が汚すぎて、部屋の至る所から虫やネズミが湧き上がってくるとか。言っておきますけど、全部実際に知り合いが体験した話ですからね。

まだまだ出て行きたくなるような例はイッパイありますが、とりあえずは現地をしっかり確認。その目でしっかりチェックして、なにか不審なところがないか探り、それから聞き込み調査です。前オーナーはなんで出て行ったのか、周りに問題行動を起こしそうなお宅は無いか。

近所をゆっくり散歩すれば、大抵話し好きで事情通のおじさん・おばさんが居るので、にこやかに話しかけて実態調査をするんです。私は必ずしています。だから変な人に悩まされた事も一度もなく、平和な毎日です。

ご近所づきあい

しっかりとご近所づきあい出来ていますか?本当に大切ですよ。その家に住むって事は、そのご町内の一員にさせてもらうって事ですから、ある程度は責任を持って協力して地域と交わっていきませんと。最近の人たちはめっきりそういう人も減っているんでしょうが、やはり個人的には大切だと思いますね。

私は今、大変雪深い地域に住んでいるのですが、現在の家に引っ越ししてきた際、向こう三軒両隣にビールを1ケース渡してご挨拶に伺いましたよ。現物は重いし高い。でも、やっぱり人間第一印象で明らかに値段の分かる大きなモノを待ってたら、それだけで好印象特大ですよ。

その甲斐あってか、私の住むマンションの最大の欠点である、「車庫前開口部が冬季間雪で埋まる」という超難題も、お隣の契約している排雪業者さんが毎回私の車庫前の雪もついでに持って行ってくれるという嬉しい反応となって還ってきますからね。

また、現在住んでる地域は結構盗難の被害が多く、いくら車庫の中にしまっているとはいえ、愛車のBMWのバイクがもし何かあったらという心配も、近隣地域の厳しい目が守ってくれていますから、安心して仕事に迎えるわけです。

普段ちゃんとご近所に挨拶をしていない、同じマンションに住む住民の車庫が隣にあるんですが、そちらは車庫の中から50万円相当のアルミホイールが盗難されましたけどね。私の方は追っ払ってもらえました。それが日頃の行いの差なんです。

またやっちゃった

前回の引越しで、「自分より目上の人の紹介で業者を決めるとロクなことがない。」と骨身にまで痛感しましたので、次はちゃんと選ぼうとは思ってたんですが、また心のスキマに喪黒福造のように影が忍び寄ってきたんですよね。完全に自分の落ち度なんですが。

数年後のお引っ越しの際の部屋選びで、不動産の営業の人が色々良くしてくれたので、すっかり心が開放されて前回のイヤな事を忘れてた私は、その営業さんの「大型トラックで若い人たちがイッパイ来る安い業者、紹介しますよ。」の言葉を、全く疑いもせず了承してしまったんですよ。

で、当日。4トントラックから降りてきた人たちを見てビックリしたんですが、もう完全に建築関係の人たちなんです。寅壱のニッカポッカに所々ペンキなんかついてるような。どう見ても、この業界の人たちじゃないし、なにより、無理やり現場作業の途中で駆り出されたのかイライラしていらっしゃる。

挨拶もなんか伏せ目がちでちょっとダルそうな返答。「これはヤバイかもしれない。」と思った時にはもう遅く、まぁ投げる投げる。貴重品から大型テレビまで、まるで何かに追われてるかのように急ピッチで投げ渡してる。私というお客さんがいる目の前で。

幸いにも電子機器等は何も壊れず、彼らはまるで嵐のように大急ぎで帰って行きましたが、もうこんな心労は二度とゴメンだと思いましたね。というか専門の人が居ないなら最初から断れっつうの!

引越業者選びは慎重に

実は私は引越業者さんに恵まれた事がありません。ってゆうか毎回最悪な業者さんばかりに出会ってしまう。全て誰かの紹介でしたね。本当に人の紹介って当てにならない。しかも知り合いの顔を立てなきゃならないから無碍に文句も言えない。ちゃんとインターネットで検索をかけて、口コミや料金の比較をきっちりして、営業担当の電話対応や接客の様子を確認して選ぶのがやっぱり1番です。

以前勤めていた会社の上司に「格安で荷物を運んでくれる人を紹介してやる」と言われやってきたその初老の男性は、実に小さな軽トラックから腰が痛そうに降りてきて、「一時間3千円でいいから」と。

確かに安い。しかし、荷物が入る気がしない。そして明らかに身体的に限界がきてそう。しかもなんかクサイ。

そこからはまさに地獄でしたね。40キロはあるテレビも、中型クラスの冷蔵庫も、重いものは全部自分で運ばされる始末。いくら私が若くて力持ちだからといって、その運ぶ作業がしたくないから業者を呼んだのであって、全部自分で運ばされるなら最初から自分で4トントラックを借りて運んだ方がマシでした。階段の上り下りでヒーヒー言ってる老人にそうやすやすとあれ運べこれ運べとは言えないじゃないですか人情的に。しかも上司のお友達らしいし。

そして案の定積みきれなかった荷物は私の車に押し込んで2往復です。一体何のために呼んだのか、後悔と汗が額からダラダラと流れ落ちていきました。